新潟に行ったことはありますか?
「スキーで何回か」「温泉に一度だけ」、そんな答えが返ってくることが多いです。
フリーランスのトラベルライター・宮澤です。
新潟県長岡市の出身で、東京の旅行代理店に10年いた後、地元にUターンしました。
今は旅行プランナーとして、新潟を訪れる方のプラン設計をしています。
仕事柄、県外の友人やお客さんから「新潟のおすすめ教えて」と聞かれることがしょっちゅうあります。
毎回感じるのは、新潟の旅行が「温泉と米と日本酒」のイメージで止まっている人がとても多いこと。
もちろん、それも新潟の大事な魅力です。
でも、その先にもう一段、知っておくだけで旅の満足度がまるで変わるポイントがたくさんあります。
この記事では、自分が実際にお客さんに伝えている「新潟旅行をワンランク上げるコツ」を7つに絞ってお伝えします。
全部をやる必要はないです。
気になったものを一つでも取り入れてもらえれば、「あ、新潟ってこういう楽しみ方があったんだ」と感じてもらえるはずです。
目次
1. 高級旅館は「月岡温泉」と「南魚沼」を押さえる
新潟で「いい宿に泊まりたい」と思ったとき、選択肢は想像以上にあります。
中でも個人的に推したいのが、月岡温泉と南魚沼の2エリアです。
月岡温泉にある「白玉の湯 華鳳 別邸 越の里」は、全20室のスイート仕様です。
1フロアに4室しかないので、廊下ですれ違うこともほとんどありません。
部屋には専用の自家源泉露天風呂が付いていて、時間を気にせず好きなタイミングで温泉に浸かれます。
「料理の鉄人」大田忠道さん監修の会席料理が食べられるのも、ここならでは。
『プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選』で2025年の総合1位に選ばれた実績もあります。
そもそも月岡温泉の泉質は、硫黄含有量が全国でもトップクラスです。
エメラルドグリーンのお湯は「美肌の湯」として知られていて、入った後の肌のすべすべ感は自分でも毎回驚きます。
温泉街自体も足湯スポットや地酒の店が並んでいて、浴衣で散策するだけでも楽しめます。
もう一つは、南魚沼市の「里山十帖」。
築150年以上の古民家を改装した全12室の宿で、ミシュラン1キーを獲得しています。
併設レストラン「早苗饗(さなぶり)」はミシュラン1つ星で、ゴ・エ・ミヨ15.5点、さらにBest Vegetables Restaurantsで世界13位にランクインしています。
「ローカル・ガストロノミー」をコンセプトに、雪国の保存食や伝統野菜を現代的に表現したコース料理は、ここ以外では食べられない味です。
一棟貸切タイプの「THE HOUSE」もあるので、グループ旅行にも対応できます。
| 宿名 | エリア | 特徴 | 料金目安(1泊2名) |
|---|---|---|---|
| 白玉の湯 華鳳 別邸「越の里」 | 月岡温泉 | 全室スイート、自家源泉露天風呂付き | 約10万円〜17万円 |
| 里山十帖 | 南魚沼 | 古民家リノベ、ミシュラン1キー | 約8万円〜 |
| 赤倉観光ホテル | 妙高 | 1937年創業、標高1,000mの山岳リゾート | 約5万円〜 |
妙高の赤倉観光ホテルも候補に入れておいてください。
1937年創業の歴史ある山岳リゾートで、源泉かけ流しの温泉と直営ゴルフコース、さらにスキー場まで併設しています。
スキーイン・スキーアウトが可能なので、冬はゲレンデ直結の便利さがあります。
標高1,000mからの眺望は抜群で、条件が合えば雲海が見られることもあります。
温泉旅館とは違った趣の宿を探しているなら、ここは外せません。
2. 「新潟ガストロノミーアワード」の受賞店を予約する
「新潟で何を食べる?」の答えが、ここ数年で変わりつつあります。
きっかけの一つが、2023年に始まった「新潟ガストロノミーアワード」です。
新潟県観光協会とローカル・ガストロノミー協会が主催するこの取り組みは、2026年で4回目。
168店が選出されました。
テイスト、ローカリゼーション(地域らしさ)、サステナビリティといった複数の基準で審査されていて、単なる「おいしい店ランキング」とは中身が違います。
地元の食材をどう使っているか、地域とのつながりをどう大事にしているかが問われるので、結果的に「その土地でしか食べられない料理」が集まっています。
2026年のグランプリは、新潟市の「登喜和鮨 新潟店」。
1954年創業の新発田の老舗が出した店で、食材のほぼすべてが新潟産です。
新潟の魚と米だけでここまでの鮨が握れるのかと、初めて食べたときは正直驚きました。
準グランプリの「日本料理 あららぎ」は、カウンター10席の小さな店です。
佐渡の牡蠣汁をはじめ旬の食材を使った料理が評判で、常連客も多い。
他にもDIAMOND賞の「早苗饗」(里山十帖内)、SILVER賞の「日本料理と蕎麦 魚哲」(長岡市)、BRONZE賞の「魚沼キュイジーヌ料理 むらんごっつぉ」(湯沢町)など、県内各地に受賞店が分布しています。
湯沢の「むらんごっつぉ」は、魚沼の山菜や発酵食品、南魚沼産コシヒカリを使った独自のコースが味わえる店で、スキー帰りに寄るお客さんにもよく勧めています。
受賞店のリストは新潟ガストロノミーアワードの公式サイトで確認できます。
旅行前にチェックして予約を入れておくだけで、食事の満足度がまったく変わります。
新潟市にはミシュラン一つ星の「古門(こもん)」もあります。
「なだ万」出身の主人が営む日本料理店で、カウンター席から職人の仕事が間近に見られます。
松之山温泉の「酒の宿 玉城屋」もミシュラン一つ星で、こちらは旅館酒匠が選ぶ新潟清酒とのペアリングが売り。
温泉と食事を同時に楽しみたい方には最適の宿です。
3. 酒蔵見学は「体験型」を選ぶ
新潟県の酒蔵数は全国1位。
2025年秋の時点で91蔵あります。
これだけあると逆に「どこに行けばいいか分からない」という声をよく聞きます。
自分がお客さんに勧めるときの基準は、「見学だけ」ではなく「体験もできる」蔵かどうかです。
ただ設備を眺めて説明を聞くだけだと、正直、蔵による違いが分かりにくい。
でも自分の手で触れたり、飲み比べたりすると、記憶にしっかり残ります。
新潟駅から歩いて行ける今代司酒造は、1767年創業の老舗ながら気軽に立ち寄れます。
純米酒10種類以上のテイスティングが1,000円。
無料の蔵見学も毎日やっています。
旅の初日に寄って、まず新潟の酒の幅広さを体感するのにちょうどいい場所です。
駅から徒歩圏というのが何より便利で、チェックイン前の空き時間にふらっと立ち寄れます。
もう少しディープに楽しみたいなら、西蒲区の笹祝酒造がおすすめです。
利き酒6種付きの見学が2,200円で、「麹の教室」というワークショップもやっています。
麹を自分の手で触って、発酵の仕組みを体感する。
この体験をしてから飲む日本酒は、味の受け取り方が本当に変わります。
「日本酒は苦手で」と言っていたお客さんが、ここに来て考えが変わったという話は一度や二度ではありません。
同じ西蒲区の岩室温泉街にある、たからやま醸造も面白い蔵です。
弥彦神社の御神酒を醸している歴史ある蔵で、名物女将の案内による無料蔵見学ができます。
オリジナルブレンド酒の作成体験(3,500円)もやっていて、自分だけの一本を作って持ち帰れます。
新発田市の「体感型酒蔵リゾート五階菱」は2022年にオープンした新しい施設です。
プロジェクションマッピングを使った演出もあって、日本酒に詳しくない方でも楽しめる作りになっています。
デートや友人との旅行にも向いています。
長岡市の「吉乃川 酒ミュージアム 醸蔵」も紹介しておきます。
約470年の歴史を持つ蔵で、デジタル展示と飲み比べが楽しめます。
長岡駅からのアクセスも良く、長岡花火や他の観光と組み合わせやすいのが利点です。
酒蔵巡りのモデルコースは新潟市の公式観光サイトにまとまっているので、事前に目を通しておくと効率よく回れます。
4. ワイナリーステイという選択肢を知っておく
新潟で「ワイン」と聞くと意外に感じるかもしれません。
でも、新潟市西蒲区には「新潟ワインコースト」と呼ばれるワイナリーの集積地があります。
カーブドッチを中心に複数のワイナリーが集まっていて、ぶどう畑を眺めながらフレンチを食べたり、温泉に入ったりできるエリアです。
その中にある「WineryStay トラヴィーニュ by カーブドッチ」は、全10室のオーベルジュです。
ぶどう畑に囲まれた立地で、2025年にCOOL JAPAN AWARDを受賞しました。
窓の外にぶどう畑が広がる部屋で朝を迎える。
この体験だけでも、わざわざ泊まる価値があると思っています。
ディナーでは新潟産ワインと本格フレンチのペアリングが楽しめます。
ワインに詳しくなくても、料理に合わせてソムリエが選んでくれるので心配いりません。
敷地内に天然温泉スパ「VINESPA」もあるので、食事の後は温泉でゆっくり過ごせます。
1名1泊2食付で38,500円から。
新潟駅から無料送迎バスが出ているので、車がなくても問題ありません。
「温泉旅館に泊まる」以外の選択肢として、頭に入れておくと旅のプランが広がります。
自分のお客さんにも、2回目以降の新潟旅行ではこちらを提案することが増えました。
特にワイン好きの方は、ここを拠点に周辺のワイナリーを巡る過ごし方がおすすめです。
5. 佐渡島は「日帰り」ではもったいない
佐渡に行くなら、できれば1泊してほしいです。
フェリーの本数や島内の移動を考えると、日帰りだとどうしても「金山を見ただけで帰ってきた」になりがちなので。
2024年に佐渡金銀山が世界文化遺産に登録されてから、佐渡への注目度は一気に上がりました。
江戸時代の坑道を歩く体験は、日本人にとっても新鮮ですし、欧米からの観光客にも人気があります。
観光庁の「地方における高付加価値なインバウンド観光地づくり事業」のモデル観光地にも、佐渡・新潟エリアが選ばれています。
ただ、佐渡の魅力は金山だけではありません。
- シーカヤックで海岸線を巡るツアー
- 砂金採り体験
- たらい舟
- 琴浦洞窟めぐり
- ガイド付きサイクリング
どれも島でしかできない体験です。
特別天然記念物のトキを間近で観察できる「トキの森公園」も外せません。
運が良ければ、野生のトキが田んぼに降りてくる姿を見られることもあります。
初めて野生のトキを見たときは、自分も思わず声が出ました。
佐渡にはこうしたアクティビティを予約できる「サドベンチャー」という着地型体験の予約サイトもあります。
シーカヤックや砂金採りなど、島ならではの体験をまとめて探せるので便利です。
佐渡の観光情報はさど観光ナビがよくまとまっています。
フェリーの時刻表、「金ぶらフリーパス」の情報、宿泊施設の一覧もここで確認できるので、計画段階で一度見ておくといいです。
6. 「食」の予約は旅程が決まったらすぐ動く
新潟の人気店は、席数が少ないところが多いです。
カウンター10席のあららぎ、個人経営の割烹、地元の常連で埋まる鮨屋。
東京の人気店ほど予約が殺到するわけではないですが、週末は2〜3週間前に埋まることも珍しくありません。
ガストロノミーアワード受賞店やミシュラン掲載店は、受賞直後に予約が集中します。
旅程が決まったら、宿より先に食事の予約を入れるくらいの気持ちでちょうどいいです。
予約の手段も把握しておくと動きやすくなります。
新潟の個人経営の店は、電話予約のみというところがまだ多いです。
ネット予約に対応していない店もあるので、気になる店があったら営業時間中に直接電話するのが確実です。
最近はInstagramのDMで予約を受け付ける店も増えてきたので、公式アカウントがあればチェックしてみてください。
もう一つ知っておいてほしいのは、新潟の食は季節の影響がとても大きいということ。
| 季節 | 旬の食材 |
|---|---|
| 春 | 山菜、タケノコ、サクラマス |
| 夏 | 岩牡蠣、枝豆(新潟は消費量全国1位)、夏野菜 |
| 秋 | 新米、南蛮海老、きのこ |
| 冬 | 寒ブリ、ズワイガニ、のっぺ |
何を食べたいかで旅行の時期を決める、という考え方もありです。
個人的には、冬の寒ブリか秋の新米の時期が特におすすめです。
冬の新潟は雪のイメージで敬遠されがちですが、市内中心部はそこまで積もりませんし、食の充実度は一年で一番高い。
寒ブリの刺身を食べるためだけに来る価値があると、本気で思っています。
7. アクセスの良さを活かして「2泊3日」で組む
新潟は東京から上越新幹線で最短約1時間40分。
大阪からでも飛行機で1時間程度です。
このアクセスの良さは、プランの自由度を大きく広げてくれます。
自分がよく提案するのは「2泊3日」の旅程です。
1泊だとどうしても移動で終わりがちですが、2泊あれば「新潟市内で食とまち歩き」+「温泉エリアか佐渡で非日常体験」の組み合わせが無理なくできます。
参考までに、モデルコースの一例を紹介します。
- 1日目:新潟駅着、今代司酒造で利き酒、古町エリアのガストロノミー受賞店でディナー、月岡温泉泊
- 2日目:華鳳の朝食を堪能、燕三条で職人体験、カーブドッチでワインとランチ、新潟市内泊
- 3日目:新潟朝市を散策、万代エリアでお土産、帰路
佐渡を組み込むなら2日目を丸ごと佐渡にあてるプランもあります。
ジェットフォイルで片道65分なので、朝イチで渡って翌日の午前中に戻れば十分に楽しめます。
その場合は佐渡で1泊して、翌朝のフェリーで新潟港に戻るのがおすすめです。
移動手段について補足すると、新潟市内は路線バスとタクシーでだいたい回れます。
ただ、月岡温泉や燕三条、西蒲区のワインコーストに足を延ばすなら、レンタカーがあると効率的です。
新潟駅周辺にレンタカー店が集まっているので、到着日に借りて最終日に返すのが一番スムーズです。
旅の計画にはにいがた観光ナビが便利です。
体験プログラムだけで1,000件以上掲載されているので、自分の好みに合った過ごし方がきっと見つかります。
あわせて、新潟のハイエンドな体験についてまとめたこちらのページも、プランニングの参考になります。
まとめ
新潟旅行は、ちょっと知っているだけで体験の質がまるで変わります。
高級旅館、ガストロノミー、酒蔵体験、ワイナリーステイ、佐渡島。
どれも「いつもの旅行」から一歩踏み出すだけで手が届くものばかりです。
個人的には、まず食事の予約から始めることをおすすめします。
新潟の食のレベルは、もっと知られてもいいと本気で思っています。
実際に現地で食べてもらえたら、きっと同じ気持ちになるはずです。
7つ全部を詰め込まなくても大丈夫です。
気になったものを1つか2つ取り入れるだけで、旅の印象は大きく変わります。
次の旅行先の候補に、新潟を入れてみてください。







